思い出ぽろぽろ

来たる9月2日。バイト先のお店(イタリアンレストラン)が閉店することになりました。私はいろいろバイトをしているのですが、一回生の時からやってる思い入れの強いところなので、正直ショックでした。一度辞めた私なのに、再度あったかく迎え入れてくれたお店。そのお店で頑張ってきた3年を思い返して、たまらん思いです。
このオーナーはいわゆる青年実業家で、いろんな事業に手を出して資本を膨らましている人なのです。10年くらい前に「イタメシブーム」ってあったじゃないですか。そのブームにのってイタリア料理店経営に手を出したのが、今のお店のはじまり。で、経験もないのに店舗運営やマネジメントまで口を出し、業績はのびず。また、オーナーのワンマン経営と安賃金にあきれて、社員・バイトはほとんど辞めていきました。私が入った頃にいたスタッフはほとんどいません。そんな社長に対して、下克上した社員(我師匠、チーフ)がいまして、オーナーは現場から退くことになり、チーフが現場をしきることになりました。で、今は完全に運営に携わっていないのですが、お店の収益はのびてるので利益はがっぽり頂いているという感じです。(社長だから当たり前なのだが、なんかムカツク)
このマスターが新たなビジネスに手を出し始めました。不動産です。このビジネスに手を出したらいつかすべてに終わりがくると思ってしまうのは、私だけでしょうか。そして、ビジネスの関係で8月中に店を閉店したら、オーナーの手にがっぽりなマネーが入るらしいのです。いや、詳しいことは知りませんが、そうらしいんです。マスターの頭の中には金のことしかないので、もちろん閉店することにしました。従業員の今後については眼中にありません。これが青年実業家です、というかもう投資家みたいになってます。
閉店まで1ヶ月をきっているのですが、私以外のバイトスタッフは閉店のことを知りません。銀行から融資を受ける関係で、まだ公にはできないとのこと。
みんなは来月もアルバイトはあって、収入はあるものだと思っています。私はチーフから特別に教えてもらいました。「お前は生活がかかってるから、先に言っておく。でも、まだ口に出してはいけないこと。」だそうです。私のほかにも事情があって、自分で生計立ててる学生バイト君がいるんだけど、知ってるのかな?心配だ・・。
正直あのオーナーと縁が切れるのは嬉しい。私は、チーフの計らいで他の従業員より少し高い時給を貰ってるので、オーナーから目の敵にされています。学生バイトは彼にとって利益をもたらさない人やからから、なるべく安く使いたいんだよね。
でも、私は生活費は結婚式場のほうで賄えているので、ここのバイトはおこずかい稼ぎだと思ってる。チーフが下克上をしたときに「人がいなくて困ってるから、手伝ってくれ」と言われたから来てるだけ。きつく言えば、チーフがいなければここで働く義理はないのです。この前も、オーナーから「うちは時給いいから、もっと仕事したいやろ?違う仕事(別の現場)手伝ってよ」って言われたことがあって、丁重に断りました。
スタッフはみんないい人ばっかりやから、ほんと悲しい。それに、就職してどっか地方に行っても、京都に戻ってきて歓迎してくれる場所だと思ってたから、寂しい。社会ってこんなものなのかなぁ。会社という組織に属して、経営者や株主の利益のために働く。そこで働く人への配慮は後回し。そんな当たり前の社会のシステムを教えてもらったバイト先です。勉強になった。
よくしてもらったチーフにも大感謝。生活危機になってバイト辞める時も色々配慮してくれた。いつの間にか一番年上になっちゃって、気を使われる立場になってしまった。安い時給で頑張ってくれてるみんなにもほんま感謝。
残り1ヶ月、できるだけのことをやって終わろう。