出会いを大切に

今日ボストン美術館で、大切な出会いをしました。

相手は黒ぶちの眼鏡、無造作に束ねた黒髪、黒いパーカーにストレッチバンツをはいた女の子。
小さめなパーカーを着ていたせいか、パーカーの下からお腹が出ていた。
でも、身長は170センチくらいあって、細身。

彼女は画材ショップが休館日であることに、怒っていた。
係員に少し罵っていた。
その後、自分の気に入った絵を見つけて、絵の前に座りこんで、絵を描き始めた。
美術館の通路の真ん中にどんっとあぐらをかいて座り込んで、
荷物を周りに散乱させて絵を描いている。
こんなことを日本でやっていたら、警備員に追い出される。
でも、美術館の警備員は彼女を素通りしていった。
彼女は気に入った絵をデッサンすることに夢中になっていた。

私は彼女にとても魅了されていた。
特に美人ではないし、行動から不作法だって言われても仕方ない。
でも、彼女から出ているパワーは凄いものがあった。
かっこよかった。
彼女の意志や野望を感じることができた。

私はすごい話しかけたくなった。
でも、うまく会話できるだけの英語力を持っていない。
私は20分くらい彼女の周りをうろうろしていた。
この20分の間にも彼女と話したい気持ちが高まった。
(一目ぼれしたみたいにね)
思い切って「きれいな絵だね」って話した。
そしたら、「ありがとう」と何度も言ってくれた。
彼女は美大に通ってて、夢のために勉強しているらしい。
その他にも、夢の話を少ししてくれたが、私にはそれを完全に聞き取れる英語力がなかった。

私は彼女を見て、自分の意志の弱さをとても感じた。
「夢はあるの?」って聞かれた時、「No idea」としか言えなかった。
昔はいろいろ夢を持ってたのに、今は答えられる夢がない。
私は常に目標とか夢がたくさんあった。
だから、その中から選ぶことがとても難しかった。
でも、今は夢がない。
社会との関わりとか、お金を得ていく糧を考えているうちに、
見失っていた。

彼女の夢が叶うといいなって本気で思った。